算譜王におれはなる!!!!

偏りはあると思うけど情報技術全般についてマイペースに書くよ。

Ubieだからこそプロダクト開発を全力で楽しめている

f:id:ngsw_taro:20210512132408p:plain この4月にUbie入社4年目を迎えました。 入社当初5, 6人しかいなかったメンバーも今では100人を超えました。 プロダクトも成長し、顧客も増えました。 入社から3年間で状況は様変わりしましたが、Ubie Discovery*1で働く本質的な楽しさは変わらないどころか、なんなら今が一番楽しいと思っています。 本エントリでは、この「楽しい」に集中できる理由と、そうしておけば万事良しの理由について話します。

チームでのプロダクト開発が最高に楽しい

仕事には様々な楽しさがありますが、中でもチームでのプロダクト開発を楽しく感じています。 チームで不確実性に飛び込み、学びを得て、目標へ全速力で走っていく、そのプロセスがとても刺激的です。

今年の1月〜3月に僕がいたチームは、AI問診ユビーの医師が閲覧・操作するための画面における医師への情報提供に関する施策を行うチームでした。 各分野のプロフェッショナルが集う少数精鋭のスクラムチームで、OKRを達成すべく仮説を立て、インタビューをして、アイデアを出して、議論して、実装して提供、そしてフィードバックを得て、次の改善サイクルを回す。

先日公開された僕のインタビュー記事でも言及しているんですが、そういう営みを通じてHowよりもWhyやWhatに目が向くようになりました。 Ubieに入社するまでは、どのプログラミング言語をどう使うか、フレームワークには何を採用して、いかにエレガントな設計にするか、という技術すなわちHowに対する興味関心が大きかったと自認しています。

なぜ、技術を駆使するという部分以外にも興味を持ったのか、自分なりに分析してみました。一言で言えば自分の成長を実感できるから、だと思います。自己成長なんてありふれた表現ですが、ゲームが楽しいのと同じです。プログラミングもそうです。やってみて、でも上手くいかなくて、考える。考えた方法を試してみる、上手くいった!この達成感、充実感。プロダクト開発全体でこの感覚を味わえるということに気付けた、と言ったところです。

とはいえ、僕はソフトウェア開発のプロとしての役割があるわけだし、それを抜きにしても個人的なWill, Canは「爆速開発によるPDCAサイクルの最速化」なので、当然ながらHowも重要です。 爆速開発は社内でも定評があるんですが、酷いコードを書くことで近道しているというわけではもちろんありません。 原則としてセオリーに沿ったコードを書いて、状況に応じて実装上・設計上の妥協をします。この妥協の方法や判断は明確に上達したと自分で思います。

その甲斐があって、四半期末に行われるValue Award*2で、Launch & Launch賞(通称、ロンロン賞)をチームとして2度受賞しました! ロンロン賞は、慎重すぎる調査や議論よりも、行動を起こし、失敗による学びも含む成果を素早く得ることを重視した個人・チームに贈られる賞です。

プロダクト開発に集中できる理由

ロンロンなプロダクト開発に全力投球できる理由は、Ubieメンバーが極めて優秀であることと、組織の設計・運営が上手く機能しているからだと考えます。 組織開発にまつわる施策を、ここでいくつか簡単に紹介したいと思います。

ラクラシー組織

従来のヒエラルキー型組織のようなトップダウンの指令系統ではなく、上位(抽象)サークルから下位(具象)サークルへと権限を委譲することで、自律・分散した組織を目指すフレームワークです。目まぐるしく変化する状況に素早く対応するため、Ubie Discoveryには最適な体制です。1年前はPoCとして少数のチームのみで運営していましたが、今ではUbie Discovery全体で運営しています。

透明化プロジェクト

メンバーやチームが急増する中で自律・分散した組織を機能させるためには情報の透明性が重要です。Ubie Discoveryでは「透明化プロジェクト」が継続的に活動しており、情報の公開・整理・配信の最適な方法を模索し続けています。 f:id:ngsw_taro:20210512132542p:plain

PMF工場

Product Market Fit(PMF)を科学する。すなわち、再現性を持ってこれを実現可能なものにする。 そのようなスキルを全メンバーに、というプロジェクトを面白がって「PMF工場」と社内で呼んで、実行しています。実際問題、全員がプロダクトオーナーとしてPMFを、というよりもそのエッセンスを修得して誰もが事業を大きく前進させるPBI(プロダクトバックログアイテム)を作れるくらいにはなろうというものです。 Ubie Discoveryはプロダクトの0→1, 1→5, 5→10を担う組織であるため、必要となるスキルです。 ある種の社内研修と言えましょう。

評価なし・業績連動昇給

Ubie Discoveryでは人事評価がなく、また当然これによる昇給はありません。評価をなくすことで、物理的にも精神的にも事業にフォーカスすることができます。 また、個別最適を防ぎます。

これは僕の意見なんですが、個別最適は社内政治につながり、社内政治は透明性や当事者意識、率直なコミュニケーションを阻み、疑心暗鬼に陥り、プロダクト開発に集中できない状況を生み出します

十分すぎるストックオプションと、業績連動による全員昇給という仕組み、そして人材要件Ubienessの下、採用に妥協しない姿勢が「評価なし」という制度を支えています。

詳細は「人事評価は不毛?〜評価なしで100名の壁を超えたUbieの事例〜」をご覧ください。

人材要件 Ubieness

以前からあった人材要件を見直し、新たに打ち立てた6つの人材要件を「Ubieness(ユビネス)」と名付けて運用しています。Ubie DiscoveryにおけるDev人材なら職種問わず適用される要件です。

  • ゼロベース思考
    • 今まで身につけた常識や慣習をUnlearnでき、常にゼロから最適解を組み立てられる思考の柔軟性がある
  • ラーニングアニマル
    • 常にLearnしつづける情熱を持ち課題解決への最善のアプローチのために活かすことができる
  • 突破力
    • 事業価値の高い目標に対して、実行可能な課題を設計し、方法論を問わず実行しきる力
  • 全社への当事者意識
    • 全社観点でやるべき重要なことを発見し、組織として最速で、最高の結果に到達する方法を考える
  • 論理性
    • バイアスに飲まれず再現性のある論理的な思考とコミュニケーションをする
  • 率直かつ建設的なコミュニケーション力
    • 社内のあらゆる場面において、自分の考えを率直に伝え、物事を前に進める

キャリア戦略?そんなもの要らない

プロダクト開発に集中できる理由がもう一つあります。 それはキャリア戦略に悩まされることがないことです。 今までは自分のキャリアをどう築くか不安になることが少なくなく、自分のキャリアにプラスになるようなムーブを意識したりして消耗していました。

少し昔話をすると僕は大学では情報工学を学んで、新卒でSIerに入社しました。 SIerは、いわゆるWeb系企業と比べると歴史があり、明確なキャリアパスがあります。 システムエンジニアをやったらプロジェクトマネジャーをやって、そして課長、部長と。出世競争のようなものはあるのでしょうが、道が見えているのであとは走るだけというような安心感がありました。

僕はそのSIerを1年半で辞めて、Web系企業に入りました。 これは僕の中では大きな決断でした。25歳にして一度目の転職、そして歴史が浅く、明確なキャリアパスロールモデルが存在しないWeb系企業。 よく「この先生きのこるには」とか「生存戦略」とか言って、ON/OFF問わず勉強すべしとか、どの技術にベットすべしとか、そういうやつに振り回されないまでも、不安に感じることはありました。

今ではそのような不安から解放されて、伸び伸びと仕事に集中できています。 前述しましたが「十分すぎるストックオプション」の存在ゆえです。 Ubieでは、全力で目の前の仕事を楽しんでさえいれば、成果は後からついてきて、おまけに経済的な自由を獲得できると信じています。

alu.jp

生存戦略」のような死なないための、ある意味守りの姿勢は不要で、残りの人生は、ただやりたいことに挑戦するだけです。 楽しくないことはやらない。賃金のための仕事はしない。

こういうことを言うと「じゃあ、いつまでも今の会社にしがみつくのか?」というツッコミが入りそうですが、そういう考えは一切ありません。 会社を辞めるというカードは常に手札の中に持っています。不安とは言いつつも、これまでの賭けにはほぼ全勝してきたし、自分の腕に自信がないわけでないので。

その時がいつ来るのか全然想像がつきませんが、Ubieを辞めたら、何をするんでしょうね。良くも、そして悪くもUbienize*3されているので、これが役に立つ組織はたくさんあるのでしょうが、僕自身が心から楽しめる組織を見つけ出せるかというと、あまり自信がありません。そういう意味でも、Ubieを辞めたあとは無職を楽しむか*4、起業するか。いや、起業は向いてなさそうだから、知り合いが興したスタートアップにでも入るか…。いずれにせよ、生涯ワクワクすることだけをし続けたいし、それが実現可能だと本気で思っています。

まとめ

Ubie入社4年目ですが今が最高に楽しくて、特にソフトウェアエンジニアとしてプロダクト開発に参画し、チームのみんなで突き進んで行くのがエキサイティングです。 これを可能にしているのは、メンバーが優秀であることに加え、組織のカルチャーや制度がイケてるから。そして、キャリア戦略について考えなくてよいくらいの経済的リターンが見込めるという安心感。

もちろん、Ubieのプロダクトが世界を大きく変えるという自信、変えてやるという野心、世界中の人々の健康を守るという社会貢献の気持ちも、あります!ワークライフバランスとか働きやすさみたいな面もあります。

けど、Ubieで働く一番の理由は「楽しい」から。これに尽きます。そして幸いなことに「楽しい」に夢中になっているだけで、すべてが上手く行く。そう信じています。

*1:Ubieという会社は現時点でUbie DiscoveryとUbie Customer Scienceの2大組織で構成されており、僕やエンジニアなどが所属する組織がUbie Discoveryです。詳しくは「スタートアップで、カルチャーが全く違う2つの組織を作った話」をご覧ください。

*2:Ubie Discoveryが掲げるValueを体現する個人・チームを称える会

*3:僕が今勝手に作った言葉。Ubie Discovery人材の権化みたいな意味。

*4:無職でもコードを書けるし、社会貢献だってできます。