エムスリーを退職して新たなる挑戦へ!
タイトルのとおり、今年の4月末をもって、4年半在籍したエムスリー株式会社を退職します。 いわゆる退職エントリで、エムスリーへの感謝の気持ちを込めて、また自身の決意の表明として書きました。
エムスリーが長澤太郎を育てた
私は大学卒業後、メーカー系SIerにおいてSEとしてキャリアをスタートしました。 いわゆる「SE」よりもプログラマーを志望していた私は、その1年半後である2013年10月にエムスリーへ転職しました。 エムスリーとの出会いは、面白い偶然なのですが@yusukeさんに紹介されたことです。 当時と比べると今は、エムスリーの知名度はエンジニア界隈に広まりつつあると思いますが、私はそのときに初めてエムスリーという会社を知りました。
エムスリーは、医療への貢献を使命とする会社です。 「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らすこと」をスローガンとして掲げています。 それまで「医療」について真剣に考えたことのない私にとっては、その事業の意義をあまり理解できてはいませんでしたが、それでも、世のため人のために自分の能力を活かせるかもしれないと思ったのがエムスリーに決めた大きな理由のひとつでした。
そしてもうひとつの理由ですが、それは優秀なエンジニアが多数在籍しているということでした(もちろんエンジニア以外の職種の人たちも凄腕のプロ集団です)。 「情熱プログラマー」に「チームの一番の下手くそでいよう」という教えがありますが、これを実践できる場だと思いました。 つまり、エンジニアが皆優秀であり、全員を師匠にできる、そんな環境に身を置くことで成長できると思っていたのです。
そして、入社から4年と6ヶ月。この狙いは功を奏しました。 「エムスリーが長澤太郎を育てた」と言っても過言ではありません。 エンジニアとしての実務経験がゼロに等しかった私を、ただ趣味でAndroidアプリを作って、Kotlinとか言うマイナーな言語(当時)が好きな変なやつを、採用してくれて、チャンスをくれて、育ててくれたエムスリーには、感謝してもしきれません。
退職理由
きっかけは、友人の会社に「誘われたから」です。 次のステップを探していたわけでも、会社を去りたいと思っていたわけでもありません。 誘われて、話を聞いてみたら、夢があったから。 それが退職の理由です。 次の会社のことは、またの機会にブログに書くと思います。
エムスリーでやったこと
「m3.com」というエムスリーの主力サービスのAndroidアプリの開発を行いました。 2014年6月にリリースして以来、現在も機能追加やUX改善を続けています。
「MR君」という医薬品情報提供サービスのAndroid版のリニューアルを行いました。 フルKotlinで実装しました。
アプリで重要なプッシュ通知システムの開発も行いました。 Spring Bootを使って、マイクロサービス的に各サービスが協調して、iOSやAndroid、あるいはServiceWorkerを実装したWebブラウザに向けてプッシュ通知を送信します。
医薬品開発で重要である「治験・臨床研究」を効率化するサービスの開発にも携わりました。 治験に参加可能な患者を探すのは人手で行われているのですが、電子カルテから匿名化した情報を収集し、条件に合う患者を検索可能にするというサービスです*1。 薬の開発期間の大幅な短縮や、薬の低価格化の実現に寄与します。 私の担当範囲ではRuby on Railsを使用していました。 また、治験をサポートする別のサービスの開発にも携わりました。 これは治験に関するデータの確認作業の非効率な部分をITで解決するというもので、クライアントとしてAndroidを、サーバにはScalaでSkinny Frameworkを使用しました。
公表できる主なプロジェクトは以上ですが、開発以外では、社内技術勉強会(M3 Tech Talk)のオーガナイザをやったり、エンジニア採用の手伝いをしたり、インターンや新卒入社のエンジニアのメンターをやったり、エムスリーの看板を背負って社外で講演をしたりしました。
エムスリーのエンジニア採用は、現場のエンジニアが主体となり活動しています。 人事やエンジニアリンググループのマネージャーのバックアップを受けながら、カジュアル面談やイベントで、候補者の方たちと直接コミュニケーションを取り、お互いの魅力を共有することで、マッチ度の高い採用を目指しています。 私自身、エンジニア採用を通じて社内外でたくさんのつながりを作れたと思っています。 また、自分の会社を相手に伝えるために、会社を見つめ直すことで、新しい気づきが得られるとともに、改めて自分の仕事の意義を確認することができました。
会社や環境・制度について
エンジニアにとって働きやすい会社です。 メンバーが自律しているからマネジメントがほぼ不要なレベルで、自由に動けます。 机は広いし、椅子も快適。
これは結構気に入ってる社風なんですが「正しい論理が通る」んです。 誰が言ったかではなく、何を言ったかが重視されます。 私が歴史ある日本的企業にいたからなのか、ちょっとした衝撃がありました。 勢いだけで語るおじさんに、理路整然とした若者が勝つ。 当たり前のことかもしれませんが。
もうひとつ、社風というか社内文化としてROI(Return On Investment: 投資利益率)という言葉や考え方がキーワードのように連呼されていました。 非常にコスト意識が高く、無駄な物は買わない、無駄な作業はしないということが徹底されていました。 逆に投資額(コスト)が大きくても、それに見合った大きなリターンが見込めるのであればGOという感じでした。 創業以来の連続増収増益の秘訣はこのROI重視の姿勢なのかもしれません。
人事評価について。 期初に3〜5つほど目標を立てて、期末に実績をまとめて報告し、さらにいわゆる360度評価*2と隠れパラメータ*3が加わって、その期の評価が決定します(たぶん)。 私はこれまで8回、評価を受けてきましたが、不満に思ったことはありません(これは本当)。 良い評価のときは素直に嬉しいし、まずまずの評価でも納得感のある内容でした。 評価が良ければ報酬はちゃんと上がっていきます(私の入社時の期待が低く見積もられていた説もありますが)。
イマドキ当たり前かもしれませんが、技術カンファレンスなどに出勤扱いで参加できます。 参加費用の一部補助もあります。 私が去年のKotlinConf(サンフランシスコ)へ行けたのも、この制度のおかげです。
有給休暇は取りやすいです。 ディズニーランドが好きな私としては非常にありがたいです。 イベントの最終日(これが盛り上がるんだな)に、よく休みを取って遊びに行ってました。 プロジェクトによるけど残業もそんなにないと思います。 一応17:45が定時ですが、私はここのところ定時から、遅くとも18:30には退勤しています。 朝が苦手な人や夜の方がパフォーマンス出る人は遅く残っていたりしますが、それでもオフィスは20:00になるとだいぶ静かになります。
おわりに
この4年半、仕事でもプライベートでもたくさんのことがありました。 成長を実感しているし、良い仲間とも出会えたし、何より楽しかった! エムスリーの皆様には本当にお世話になりました。改めて感謝を申し上げます。
最後にお約束の干し芋を晒して終わりにしたいと思います。 @yusukeさんからは、すでにビールをお祝いにいただきました〜!ありがとうございます! (これは干し芋ではなく、gifteeという素敵なサービス経由です)
お祝い ありがとうございます!
転職のお祝いをいただきましたので、ご紹介させていただきます(順不同)。 読みたかった本や、私のコーディングの燃料であるビール、猫用品、AmazonギフトカードやKyashでの投げ銭などをいただきました! みなさま、ありがとうございます!
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