Kotlin 便利なプラグインが2つ登場しRealmが捗るよ〜
Kotiln 1.0.6がリリースされました! 同時に面白いプラグインが2つリリースされました。 all-open compiler pluginとno-arg compiler pluginです。
all-open compiler pluginは、指定したアノテーションがついたクラスが自動でopen
指定されるという機能を持ちます。
no-arg compiler pluginは、指定したアノテーションがついたクラスに、自動でデフォルトコンストラクタ(引数を持たないコンストラクタ)を生成してくれます。
導入方法は、冒頭に示したKotlin公式ブログを参照してください。
今回はこれらのプラグインを用いることで、Realmが使いやすくなることを示したいと思います。
プラグインなし
まずは普通にKotlinだけを使って、Realmオブジェクトを定義してみます。
open User(@PrimaryKey open var id: Long = 0, open var name: String = ""): RealmObject
うひゃー、おまじないだらけですね。
open
が3回も登場していますが、RealmがこのUser
クラスを継承して面白い機能を追加するために必要なのです。
また、Realmはデフォルトコンストラクタを要求します。
そのためUser
クラスのプライマリコンストラクタでデフォルト引数を与えることで、引数なしのコンストラクタを提供しているというわけです。
ともかく、本来であれば無視してもよいことに注意しなければならないのですね〜。
all-open compiler pluginを使う
all-open compiler pluginを使って、open
修飾子を退治しましょう。
プラグインの設定として、下記をbuild.gradleに記述します。
allOpen {
annotation('io.realm.annotations.RealmClass')
}
この設定により、@RealmClass
アノテーションが付いたクラスが、自動でopen
指定となります。
@RealmClass User(@PrimaryKey var id: Long = 0, var name: String = ""): RealmObject
no-arg compiler pluginを使う
次にno-arg compiler pluginを使って、デフォルト引数を毎回記述する退屈な作業から解放されましょう。 プラグインの設定として、下記をbuild.gradleに記述します。
noArg {
annotation('io.realm.annotations.RealmClass')
}
all-openのときと同じように、@RealmClass
が付いたクラスを対象に、デフォルトコンストラクタの自動生成を設定します。
ついにやりました!
謎のopen
もデフォルト引数も、キレイに消えたコードが手に入りました!
@RealmClass class User(@PrimaryKey var id: Long, var name: String) : RealmObject()
おまけ
no-argで自動生成したデフォルトコンストラクタは、Kotlinのリフレクション機能を使ってもアクセスすることはできないようです。 一方Javaのリフレクション機能を使うとアクセスできます。
@MyAnnotation // このアノテーションに対してno-arg設定 data class Hoge(val value: String)
Hoge::class.constructors.forEach(::println) println("----------") Hoge::class.java.constructors.forEach(::println) println("----------") println(Hoge::class.java.newInstance())
実行すると...
fun <init>(kotlin.String): Hoge
----------
public Hoge()
public Hoge(java.lang.String)
----------
Hoge(value=null)
App Shortcuts 実装方法と実際の応用例
一昨日くらいにAndroid 7.1.1のOTAが開始されましたね。 私のNexus5Xにも届いたので、早速インストールしました。
Android 7.1で目玉の機能となるのは、App Shortcutsなのではないでしょうか! ということで試してみました。 公式のAPIガイドを見てやれば、すごく簡単に実装できます!
App Shortcuts 概略
App Shortcutsは、欲しい情報にすぐにアクセスするための機能です。 ランチャーアイコンを長押しすることで、ショートカット一覧が表示されます。 ショートカットを押せば、そのアプリの特定の画面にすぐにたどり着けるというものです。
続きを読む2016年のKotlinまとめ #ktac2016
今年もアドベントカレンダーの季節がやって参りました。 ということでKotlin Advent Calendar 2016、1日目の記事です。
2011年にKotlinプロジェクトが発表され、2012年に実装が公開されました。 2013年は知る人ぞ知る言語という位置付けで、2014年、2015年は時折バズっては徐々にファンを増やしていった時期です。 そして、2016年最大の出来事は何と言ってもver 1.0のリリースです。 勉強会や開発事例、求人情報も増え、「実用の年」と言えるかもしれません。 本記事では2016年のKotlinにまつわる出来事を振り返りたいと思います。
Kotlinの成長
2月に新しいロゴとともに、ver 1.0.0がリリースされました。 さらに、同じタイミングでSpring BootのKotlinサポートがリリースされました。
3月にはAndroidにおける、Jack and JillやJava8に対してのKotlinとJetBrainsの姿勢について言及がありました。
5月にGradleのビルドスクリプトをKotlinで書けるようになるよという話もありました。
で、いろいろあって(特に目立ったイベントはなく)、現在はver 1.0.5までリリースされており、いくつかのバグ修正、改善とツールまわりの対応がなされました。 そして次のver 1.1のマイルストーンは、3番目がリリースされています。
ver1.1での目玉は、コルーチンのサポートでしょうか。
型エイリアス、Bound Callable Referenceも大きな改善です。
型エイリアスは、その名の通り型に別名を与えます。
Bound Callable Referenceは、例えばval f: (Int)->Char = "foo"::get
のようにメソッドをレシーバと結びつけた上で関数化することができる機能です。
その他にもデータクラスの継承サポート、シールドクラスのルール緩和、委譲プロパティの対象拡大、ラムダ式の引数での分解などが加わります。
日本のコミュニティ
今年は今までで一番コミュニティが盛り上がった年でもあります。 connpassでKotlinを検索すると、現時点で47件もの勉強会がヒットします。 去年が7件であることに対し7倍近く増えています。
Sansanさん主催のKotlin勉強会は、非常に存在感が大きいです。 第1回が1月に行われ、そのときは幸運なことに、JetBrains Kotlinチームの人にご登壇いただきました。 第2回、第3回は勉強会スタート時からビール片手に発表を聞けるというスタイルで、なごやかな雰囲気で楽しかったです。 そして、今月13日に第4回が開催予定です!
今月、もう一つKotlin勉強会があります。 Rettyさん主催の勉強会で、今回はKotlinのテーマらしいです。 私は私用につき途中で退出しますが、登壇者枠、ブログ枠ともに空いているので、ぜひご参加ください!
関西にKotlinコミュニティ Kansai.ktが誕生しました。 やはり勉強会は東京に集中してしまいがちなので、活動を応援したいです!
Kotlinエバンジェリストを自称しているだけあって、登壇オファーをたくさんいただきました。 上記のSansan勉強会、Retty勉強会に加え、Kotlin/Goデベロッパーミーティング、Hacker Tackle、Lightweight Language of Things、たろうさんと学ぼうKotlin入門、ビズリーチ社内勉強会、関西Kotlin勉強会など、たくさんお声いただき、ありがとうございます。 登壇、執筆依頼はいつでもお受けしますので、お気軽にお声掛けください!
書籍
手前味噌ですみませんが、今年の7月に「Kotlinスタートブック」なるKotlin入門書を出しました。
Kotlinスタートブック -新しいAndroidプログラミング
- 作者: 長澤太郎
- 出版社/メーカー: リックテレコム
- 発売日: 2016/07/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
おわりに
来年はさらに盛り上がるでしょう。 ver 1.1のリリースが控えており、JDK9、Spring 5.0などのリリースもあります。
前述の通り、connpassでKotlin勉強会を検索すると47件ヒットしますが、目指せ100件超え!ですね。 Wantedlyで「シゴト」をKotlinで検索すると現時点で112件ヒットします。 1年後には何件に増えているのか、楽しみです。
明日の担当は@lVlA0805さんです。お楽しみに!
LINEの新しいMessaging APIを試してみた
つい先日、LINEの新しいMessaging APIが公開されました。
以前、こんなものを作っていたこともあり、早速試してみました。
作ったもの
最初の挨拶みたいなやつは、ダッシュボードから設定できます。
ここらへんは以前と同じ機能。
ボタンを出してユーザに選択させるメッセージを試したかったので、 雑なアイデアですがクイズ的なものを実装してみました。
感想
- Template Messageってのがすごい
- 簡単
- いくつかの言語用にSDKが提供されている
- 私はSpring Bootで簡単に使えるやつを、Kotlinから使った
- ドキュメントがわかりやすい